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![]() ITパスポート試験受験記 4月19日に第1回ITパスポート試験を受験しましたので、その顛末を報告し読者のみなさまの参考に供したいと思います。 筆者は現在、長野県在住ですので、試験会場はJR長野駅から専用バスで約30分の学校です。覚悟していたこととは言え、バスの中も学校に着いても周りは若者ばかり、高校生かと思う受験生も結構多く、場違いなところに来たなぁというのが第一印象です。指定された校舎に入ると、皆受験慣れしているのか、さっさとスリッパに履き替えています。4月後半ですが長野はまだ足元が寒く、筆者は早くも準備不足露呈ですが、教室に入ると、中高年もちらほらで一安心しました。 9時15分から説明が始まりました。試験官の態度は規律正しく説明も大変しっかりしており、情報処理技術者試験は、こういう現場力で支えられていることを実感しました。 試験問題が配られ、いよいよ試験開始です。事前に周知されていたように、全体で100問、ストラテジ25問、マネジメント35問、テクノロジ40問の順になっています。JITECのサイトからダウンロードできるサンプル問題と、それをベースにした学習書をチェックしていたので、それほど難しいとは感じなかったですが、若い人はちょっとてこずるかもしれません。試験時間は12時15分までの2時間45分ですが、そこまではとても体力が持たず、2時間弱で会場を後にしました。 ご存知のように、今回のITパスポート試験は、2006、2007年の高度IT人材育成WGにおける議論から生まれました。ストラテジ、マネジメント、テクノロジという多岐にわたる分野の知識を試すことを狙っているのですが、実際に試験を受けた感想を言いますと、分野と試験問題自体はなかなかよく考えられていると思います。試験から離れますが、課題はこのような幅広い知識を、どこで誰が教えるのかということではないでしょうか。 上記のWGの議論は、現在のビジネスパーソン(もちろん、技術者も含めて)がもつべき最低限の知識は何かということでした。この趣旨を踏まえると、単に受験勉強をして合格を目指すのではなく、知識の背景や意味をどこかで教えなければならないのですが、これを実現できるかどうかが重要です。 翻って、大学は、卒業生が社会に出たときに食いはぐれて路頭に迷うことがないように、世の中の仕組みを教えなければなりません。それを一部具体化したものが、ITパスポート試験だと思いますが、残念ながらその認識は今の大学にはないでしょう。 大前研一氏は、近著『「知の衰退」からいかに脱却するか?」のなかで、グローバル化した激烈な競争に直面しているビジネスパーソンの三種の神器として、英語、ファイナンス、IT(および、ITを駆使した論理思考)を挙げておられます。技術者もこの埒外ではありません。ITパスポート試験の狙いは、大前氏の視点とやや異なりますが、基本的な考え方は同じだと思います。 ITパスポート試験をビジネスパーソンの三種の神器的なものとする、そのために今のエントリーレベルに、より高いレベルを加えて強化していくという考え方もあるのではないでしょうか。特に、会計を主体とするファイナンスを入れることは、技術者マインドを変革するためにも必須だと思います。 結論を言いますと、ITパスポート試験は、全ての、特にソフトウェア産業の経営者および中堅ビジネスパーソンに受けてもらいたい。そして、企業内に蔓延しつつある「知の衰退」を防ぎ、GDP年率換算15.2%減という未曾有の危機対処への第一歩とされることを期待したいと思います。 今回のような試験を受けるのは大学入試以来、実に50年ぶりです。筆者のように、右肩上がりの高度成長期に社会人生活を送ったものは、資格にチャレンジすることもなく、厳しい昇格試験もなかったのです。そういう意味でよい経験でした。 (鶴保 征城)
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