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実践が決め手:PBLのすすめ(4)

◆第4回『PBLがもたらす学校教育へのインパクト』

 先月、情報処理学会の情報教育シンポジウム(SSS2009)において『PBLは教育にどのようなインパクトがあるか』というタイトルで講演をいたしました。その講演のなかで、PBLが従来の座学や演習と比べ、大きく異なる点として、次の5つを挙げています。(1)知識の統合、(2)チーム活動からの学び、(3)プロセスからの学び、(4)マネジメントからの学び、(5)学生の主体的な学び、です。

 ところで、NTTソフトウェアに在籍していたときに、チームによりモノづくりを体験させる教育を新人研修に組み込みました。一般的にプログラミング教育は座学と個人によるパソコンに向かってプログラムを作成する演習で行われることが多いのですが、PBL型の新人研修では、チームでソースコードレビュを行うプログラミング教育方法を取り入れ、それがプログラミング教育に大変効果的であることが分かりました (参照:http://ci.nii.ac.jp/naid/110002776467/)

 前述の5つのうち、(2)のチーム活動からの学び、は日本の風土に合った合理的な教育方法ではないかと考えています。欧米では、仕事を細分化し、それを体系化するという風土が根付いています。マイスターなどの専門職が確立し、労働組合も専門職毎に組織され、職種ごとに分断されています。しかし日本の場合、システムの設計者があるときにプロジェクトマネージャになり、その後コンサルタントや営業職になるというキャリアを描くことが一般的に行われています。すなわち他の領域や仕事にまで気を配ることができるという特質を備えています。品質管理におけるQCサークルの活動や『後工程はお客様』という概念とも共通しています。

 PBLを通じて、多くの学生がチームでモノづくりをすることの難しさと面白さを体験します。それは、日本人に古代から引き継がれ、ずっと埋もれていた何かを見出した姿にも見えます。日本人の特質にあった教育方法は、本来の学びの楽しさを見出すこととなり、他国との競争に勝つ上でも不可欠であり、それこそが、日本が世界に貢献できることなのではないかと思っています。 (駒谷昇一)