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実践が決め手:PBLのすすめ(5)

 ◆第5回『PBLがもたらす学校教育へのインパクト』  

  PBLが従来の座学や演習と比べ、大きく異なる点として、(1)知識の統合、(2) チーム活動からの学び、(3)プロセスからの学び、(4)マネジメントからの学び、(5)学生の主体的な学び、の5つを挙げましたが、今回は(3)についてです。
   『プロセスからの学び』とは、ダイナミックな活動を通じて様々なことを学ぶということです。例えばUMLの授業ではUML表記によるシステム設計の方法を学びます。UMLでの設計書を作成した後には、ソースコードの作成があります。授業で教えられる内容は各工程に分断されていて、ソフトウェア開発の一連の流れのなかで各工程の位置付けを理解することは困難です。しかし実際の開発現場では、UMLの表記方法を知っているだけでは設計書はできず、UMLの作成の前には、お客様の要求を聴く工程があります。お客様とのデザインレビュを通じて設計書をリファインするプロセスが重要となります。
  物事の見方として、静的なものと動的なものに分類して考える方法があります。教育内容を良くするためには、良い教材を使う、優秀な教員が教えるというのも重要ですが、教育内容を改善するためのPDCAサイクルが回るような仕組みがあるかどうかも重要です。同様に、教育においても動的な見方ができる教育も重要です。世の中の物事は過去や未来があり動的な流れのなかに存在します。システム構築でもAs is(現状)とTo be(あるべき姿)がありますが、そのTo beにどのように近づけるかが重要です。そのため、物事を考える際に、プロセス、手順、工程、状態遷移、というものを考える必要があります。しかし世の中の多くの教育が知識などの静的なものを教えるものであり、プロセスなど動的なものを教えるものは皆無なのです。このため実際にはプロセスは、実体験を通じて学ぶことが多いのです。
  システム開発型のPBLでは企画、設計、実装、テストなどの一連のプロセスを体験することでプロセスの重要性を学びます。PBLを通じて物事を考える際に、プロセスというものを意識しなければならないということを学ぶことができるのです。(駒谷昇一)