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![]() 実践的なスキルを持った人材の育成・多くの学生はすでにPCを持っており,日常的な利用には困らない. ・ゲームやアニメには興味があり,ゲームを作る手段としてPCを勉強したいが,プログラミングなどはあまりやりたくない. ・IT関係企業には3K(きつい,厳しい,環境(職場)が悪い)イメージがある. さらに,優秀な学生のIT系離れは,日本だけでなく米国でも進んでいるようである. しかし,日米のいずれにおいても,ITエンジニアの需要は必ずしも減ってはいない.「米国国内で必要とされるIT人材は,単にプログラミングなどの技術を持った人材ではなく,最先端技術の実践的なスキルを持った技術者やビジネスとITを結び付けることのできる人材である」といわれている[1].それは,アーキテクトデザインやシステムの設計・開発ができる人材の需要である.プログラマやITサービス技術者の需要は,インドや中国へのオフショアが進み,国内で必要とする技術者の分野が上流にシフトしつつある. 一方,企業が求める人材の入社時までに身につけてほしい技術や知識と日本の大学のIT教育との間にギャップがあると,近年になって叫ばれている. このような状況に対応するかのように出版されたのが「ずっと受けたかったソフトウェアエンジニアリングの新人研修」(翔泳社)である.この本は,実際にソフトウェア開発に携わった経験者が執筆している.企業においては,本書を教材に,ソフトウェア開発を経験した講師が,自分の経験を本書の行間に入れながら,説得力のある講義(研修)ができると思われる.しかしながら,大学において本書を使用して講義ができる教員はどのくらいいるであろうか.ソフトウェア開発を経験した教員を抱える大学は全体的にみて少ないのが実情である.大学においては,基礎的な知識や技術を学習し,それらをしっかりと身につけることが最優先ではあるが,実践的な教育を望む学生の要望があるのは確かであり,これらに対応していくことが,企業が求める人材教育にも繋がっていくと考えられる. 日常生活のインフラとなったITシステムは,国を支える根幹である.これらを実現するシステム開発の中核に優秀な人材を確保するためには,夢のある職場環境を実現すると同時にクリエーティブな分野であることを高校生にも認識させる必要がある.大学の教育においては,座学に加えた演習(PBLなど)により,自分で考え,問題を解決していく体験型学習ができる場を少しでも多く提供できるようにすることが急務である.達成感を味わった学生はいきいきとしている.そのためには,産学間が連携したカリキュラムや教育方法の改善が求められる. (東京工科大学名誉教授 松永俊雄)
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